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《学会発表報告》第70回日本消化器外科学会総会(高槻光寿)

平成27年7月15日(水)~17日(金)、アクトシティ浜松,オークラアクトシティホテル浜松,ホテルクラウンパレス浜松にて第70回日本消化器外科学会総会が開催されました。以下は、参加した高槻光寿先生からの報告です。



日時:平成27年7月17日(金)13:30 ~ 16:00
場所:第1会場(アクトシティ浜松 1階 大ホール)
セッション名:シンポジウム6 世界へ発信する移植外科医療
演題名: SY-6-6 生体肝移植後長期経過症例における計画的免疫抑制剤減量とドナー特異的免疫寛容

<全体の感想>
初めて浜松を訪れました。失礼ながらどんな田舎かと思っておりましたら、名古屋から30分、東京からも1時間ちょっと。街並みや地下道なども洒落ており、長崎よりずっと都会な感じでした。数々の音楽や自動車産業を生み出した土地でもあり、学会でも音楽に関する催し物が多くあって癒されました。また、当科の関連施設である県西部浜松医療センターがあるわけですが、勤務経験者はみなさん本当に思い入れがあるようで、さながら同窓会みたいな雰囲気でした(私は残念ながら勤務したことがありません)。
学会は、全体的にかなり洗練された感じで楽しかったですが(浜松医大外科の紹介動画に圧倒された)、ランチョンの鰻弁当がチケット切れでどうしても手に入らず、ちょっと不満も残りました。私は「世界へ発信する移植外科医療」という物々しいタイトルのシンポジウムでの発表でしたが、ただでさえ外科系の学会では聴衆の少ない移植の話題、しかも最終日の最終セッション。予想どおり広い会場に「演者+α」みたいな感じでしたが、かえって身内どおしで充実した討論ができた気がしました。

<会場からの質問>
Q: 免疫抑制剤はどこまで減量するんですか?今回の研究の目標はどこでしょうか?
A: 今のところ、前向き研究では1日おきまでの減量、というところまでで、中止まではしておりませんが、将来的には中止するところまでいきたいと思っています。ただ、1日おきにする、と患者に説明しても飲み忘れそうでこわい、という意見も多く、その場合はそれ以上減量しておりません。なかなか難しいです。

Q: この研究は意義深いですが、結果が得られるのに長時間を要しますよね。先生は大学を出て市中病院へ異動となっているようですが、今後この研究はどうされますか?個人的な部分も含めて聞かせてください。
A: プロトコールは明確にしておりますので研究自体は継続されます。異動になったとはいえ近いので、今後も直接・間接に関わりながら続けていきたいと思っています。

Q: T-regやDSAは測定していますか?
A: しておりません。今後の課題かと思っています。

Q: 減量開始前に肝生検はしていますか?プロトコール生検の間隔は?
A: 減量前の生検はしておりません。他施設の報告では、減量開始前の肝生検で線維化があればエントリーしない、とするところもあります。定期生検は、原則として最低年1回です。

Q: 結局、移植後長期であればあるほど寛容になりやすい、ということですよね?
A: そういうことです。報告されているデータでも、離脱成功例の移植からの期間中央値は10年程度です。移植後2年で減量開始、というのはそういう意味では早すぎるということだと思いますが、リスクと利益のバランスのとれた最適の時期を今後検討する必要があると思っています。