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《学会発表報告》第13回日本臨床腫瘍学会学術集会(小林和真)

平成27年7月16日(木)〜7月18日(土)、札幌:ロイトン札幌・さっぽろホテル芸文館・札幌市教育文化会館にて第13回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催されました。以下は、参加した小林和真先生からの報告です。



Poster Room5(札幌市教育文化会館)3F(研修室305)
日時:平成27年7月16日(木) 18:55 ~ 19:40
会場:Poster Room5(札幌市教育文化会館)3F(研修室305)
セッション名:食道3 症例報告、その他
演題名:術前CF療法で十分な抗腫瘍効果が得られなかった胸部食道癌に対してDCF療法により治癒切除が得られた症例の検討
 
<会場からの質問>
Q:食道原発巣とリンパ節で病理学的に違いがありましたか?
A: 予想していたが、本発表でもっとも核心にふれる質問であった。
  郭清リンパ節60個中、陽性リンパ節は1個で、化学療法による修飾もあり、
  明らかな差異は見いだせなかった。

<全体の感想>
内科系の学会なので仕方ないが、当科からは私一人、しかもがん診療センター関係医師も19時から飲み会のため来場せず、やや寂しい感じであった。食道というややマイナーな分野で、夜最後のセッションでもあり、人数は少なかったが、DISCUSSIONはそれなりに盛り上がり、いい雰囲気であった。
本症例は手術や化学放射線療法に移行すべきとの意見に傾くかと思われたが、座長からは臨床所見をよくみた適切な判断であったとの評価をいただいた。


日時:平成27年7月16日(木) 18:10 ~ 18:55
会場:Poster Room8(札幌市教育文化会館)4F(研修室403)
セッション名:胃・十二指腸1 症例の解析
演題名:S-1 に不応となった切除不能進行再発胃癌の、二次以降の治療における「使用可能薬剤の使い切り戦略」の有用性

<会場からの質問>
Q:CPT-11もTaxaneも全部使いたいが使えない症例も多いのでは?
A: これも想定内の質問。
  状態が良い症例は当然多い。ただ、予後不良と思われる重度の腹膜播種症例を除外しても、生存曲線は変わらなかった。今後、どの様な症例が使い切りできないのか、詳しく検討したいと思います。

<全体の感想>
私はセッションの2番目の予定であったが、トップバッターの韓国医師が現れず、急遽トップの発表になった。胃癌のセッションなのでaudienceも多く、盛会であった。ただ、がん診療センターの本田・福田先生も同時刻の発表なので、長大関係には結局見てもらえなかったのはやむを得ないが、一抹の寂しさがあった。
座長からは、今後、二次治療にramucirumabも加わるので、検討を続けて下さいとの激励をいただいた。

<学会全体の感想>
 今年は何と言っても、immune checkpoint inhibitorが癌腫を問わず席巻した。化学療法の治療体系が大きく変わる可能性を感じさせた。ただし、財政的なburdenも著しく、
非小細胞肺癌症例に抗PD-1抗体薬を一人に1年間使うと2400万円超となり、現在7万人/年に新たに生じる症例に使用すると16兆8千万円が1年にかかるそうです。
 今後は、癌腫によらずトピックスはしっかりチェックが必要。もはや外科だの内科だの、あとMINOR科別などに細分化している場合では無いと考えます。
 私としては、引き続き臓器横断的にしっかり勉強したいと考えました。