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《学会報告》第21回日本異種移植研究会(高槻 光寿)

平成31年2月16日(土)、 沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターにて第21回日本異種移植研究会が開催されました。以下は参加された高槻光寿先生からの報告です。


セッション2「間葉系幹細胞」
『ラット肝細胞はヒト羊膜上の培養で長期機能維持する』

沖縄宜野湾市のコンベンションセンターで開催されました第21回日本異種移植研究会に参加してまいりました。沖縄はこの季節でも気温20℃前後で快適でした。会場のコンベンションセンターは、かの安室奈美恵さんのファイナルコンサートの『控室』だったそうで、ファンにとっては聖地だそうです。ちなみに、その『控室』がまさに今回の研究会の会場でしたが、200人くらい入りそうな部屋でした、、、。
研究会は異種移植に関する様々な話題が議論されておりましたが、今回は膵島移植で著明な琉球大学再生医療学の野口先生が会長であったため、膵島移植の話題が多くを占めておりました。ランチョンセミナーもアルバータ大学で長く膵島移植をされている金達也先生のご講演で、当科も大変お世話になっている先生であり、ご講演の中で長崎大学のことを少し紹介していただき、ありがたく思いました。
今回私は、今までも何度か報告させていただいているヒト羊膜を培養器材として用いたラット肝細胞培養の最新の知見を報告させていただきました。異種の組み合わせであっても、なぜかラット肝細胞が機能を長期にわたって維持することができ、現在もそのメカニズム解明のため研究を継続中です。
Q:ヒト羊膜を用いているが、将来的な臨床への展開を考えると、むしろ異種の方がよいと思われるが、ブタ等の羊膜を用いる予定はあるか。
A:今のところヒト羊膜は出産の際に破棄されているものなので、入手しやすい状況にあるが、応用が広まってくるとそのようなことも検討するべきかもしれない。
Q:培養肝細胞はスフェロイド様になる方が機能を発揮できるはずである。今回、上皮層側が塊状になっているが、羊膜を用いずに3D培養などでスフェロイド様になった肝細胞との比較はしているか。
A:していない。今回、上皮層側が塊状になっており通常のコラーゲンディッシュより機能がよかったが、むしろ塊状にならなかった緻密層側の方がさらに良好である、という結果であった。
Q:膵島細胞の培養などはどうか。
A:現在進行中である。結果はまだ何とも言えないが、今のところ肝細胞ほどの機能は発現できないようである。
Q:今回、再生でなく機能維持を目的としていると思うが、どう臨床応用していくのか。
A:細胞移植領域での応用になると思われるが、具体的なところは今後の課題である。