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《学会報告》第26回九州肝臓外科研究会 学術集会(丸屋 安広)

平成31年1月26日(土)、 福岡市博多区の大塚製薬グループビルにて第26回九州肝臓外科研究会 学術集会が開催されました。以下は参加された丸屋安広先生からの報告です。


セッション名:一般演題
演題名:多発転移性肝癌に対するALPPS肝切除の一例

5年ぶりに参加した九州肝臓外科研究会ですが、およそ6時間肝臓のセッションが、ほぼぶっとうしで行われるコアな研究会でした。今回特に勉強になったのは術後胆汁瘻の治療戦略のセッションでした。今回私は当科で1例目のALPPS手術の症例報告を行いました。
<会場からの質問>
Q:最近はALPPS手術の1期目の手術はなるべく肝の脱転や肝門部の剥離も最小限にするべきと言われているが、その点に関してはどうだったか?
A:今回はストーマ造設後であり、ストーマ閉鎖を行ったが、そのことも影響して術後炎症が遷延し肝再生を遅延させた可能性もあると考えている。本症例を反省して今後はこのような付加手術も避けてなるべくシンプルに初回手術を行う方針としたい。

Q:ALPPS手術の場合、術前術後の肝臓のvolumeと実際の肝臓のfunctionに乖離がある場合があり、volume通りに再生が起こっていない場合があると考えるが、volume以外で何かほかの検査を行って肝臓の再生の指標にしているか?
A:今回はvolumeのみで判断しているが、肝移植の際も高齢ドナーの場合、volumeは十分でもグラフトのfunctionが低い場合があり、今後volume以外のモダリティを用いた評価ができないか検討したい。

Q:術前化学療法を行っているが、摘出肝においてイリノテカンの影響での脂肪肝の所見は認めなかったか?
A:病理診断には脂肪肝の記載はなかったこと、今回最終の化学療法から1か月以上インターバルを開けて手術に臨んでおり術前肝予備能も問題なかったが、本症例のように化学療法後の大量肝切除の際は重要なファクターであり今後は病理オーダーの際に注意してオーダーすべき出ると思われた。