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《抄読会》夏田 孔史

抄読会 夏田孔史 2018/5/31
Serum Tumor Markers Provide Refined Prognostication in Selecting Liver Transplantation Candidate for Hepatocellular Carcinoma Patients Beyond the Milan Criteria.
Ann Surg. 2016 May;263(5):842-50. doi: 10.1097/SLA.0000000000001578.
PubMed PMID: 26779979.

昨年お世話になった韓国のSeoul National University Hospital (SNUH)を始めとした、韓国の肝移植のhigh volume centerによる多施設共同研究です。
HCCに対する肝移植の適応基準として、日本ではミラノ基準(単発5cm以下、多発3cm以下3個まで、脈管浸潤なし)が広く用いられ、医療保険の適応基準にもなっていますが、基準として少し厳しすぎるのではという指摘は以前からされておりました。本研究ではHCCの腫瘍マーカーであるAFP・PIVKAⅡを用いた式を算出しこれによって群分けを行ったところ高リスク群はミラノ基準内であっても再発率が高く、低リスク群はミラノ基準を越えていても再発率が低いという結果でした。肝移植後の再発で問題にあるのは肝外(≒血中)に逸脱している癌細胞であるため、血清中の腫瘍マーカーを指標として用いることは妥当であると考えられます。一方で会でもご指摘のあったように、Child A、単発の切除でも良好な予後が期待できる症例にも肝移植がなされており、臓器提供に対する考え方がより慎重な(我々はそれが当たり前だと思っているのですが)日本ではそのまま当てはめることは難しいと思われます。しかしこういう考え方もあるんだなぁと、素直に勉強になりました。