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《抄読会》福井 彩恵子

論文1
タイトル: A Review of Inflammatory Bowel Disease in the Setting of Liver Transplantation
雑誌: Journal Gastroenterology and Hepatology
発行年: 2014
Pubmed ID: 27540334

論文2
タイトル: Inflammatory bowel disease in liver transplanted patients
雑誌: World Journal of Gastroenterology
発行年: 2017
Pubmed ID: 28566881

コメント:
臨床で経験した症例に基づき、肝移植に関連する炎症性腸疾患 (IBD) についてのReview をテーマとして選択した。Review によると、移植後の難治性下痢や持続する炎症所見の稀な疾患の鑑別として、IBD の新規発症を考慮する必要がある。検討されているリスクファクターとしてサイトメガロウイスル感染やカルシニューリン阻害薬の使用などが挙げられるが、それらのファクターがIBDを惹起する機構に関しては明らかでなく、議論の余地があると記載されていた。治療法に関して確立されたプロトコールはみられなかった。関連する文献を検索すると、肝以外の臓器移植においても、年齢性別を問わず報告が散見された。
本論文により、移植後新規発症IBD という系統的知識を初めて得た。しかし、経験症例では、消化管の多発潰瘍性病変を認めたが、内視鏡や生検において典型的なIBD と言い難い所見を得たため診断に難渋した。いくつかのCase report を参照しても、IBD の診断基準にはばらつきがあるようであり、いわゆるクローン病や潰瘍性大腸炎と診断するよりむしろ、別のカテゴリーとして疾患概念を確立する必要があるように思われた。