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《抄読会》池田 貴裕

Long-term Risk of Colorectal Cancer and Related Deaths After a Colonoscopy With Normal Findings.
雑誌:JAMA Intern Med。
発行年:2019
PMID: 30556824

一般病院では非常に進行した状態の大腸癌患者が多く、検診は推奨しているものの、検診の効果や、具体的な指導に役立つ論文はないかと探して読みました。3つの米国消化器系学会が合同で示したガイドライン(2017)では大腸癌スクリーニングについて50歳以上で10年に1度の大腸カメラ、毎年の便潜血検査を推奨しており、その妥当性を評価した論文です。

要旨:
 米国の大腸癌スクリーニングに関するガイドラインは、内視鏡によるスクリーニングで正常所見(陰性結果)と判定された患者が、再度スクリーニングを受けるのは10年後でよいとしているが、この推奨を支持するエビデンスは限られていた。当研究ではCS陰性結果からの長期間の大腸癌発症リスクおよび大腸癌死亡リスクを調査することを目的とした。レトロスペクティブコホート研究であり、米国の医療保険団体であるKaiser Permanente Northern Californiaの加入者を追跡調査した。
スクリーニングは事変的なものとして調査された。全ての参加者は、スクリーニングを受けるまで、または追跡打ち切りとなるまでは、非スクリーニング群とした。スクリーニングを受けて陰性判定を受けた人は、打ち切りとなるまでスクリーニング陰性群として追跡した。主要評価項目は、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて分析され、スクリーニング群では陰性判定から、非スクリーニング群ではコホート組み入れからの、大腸癌発症率と大腸癌死亡率とした。
非スクリーニング群を基準として補正した、スクリーニング陰性群の大腸癌発症のハザード比は、1年目が0。05(0。02-0。10)、10年目は0。54(0。31-0。94)になった。ガイドラインが再スクリーニングの目安としている10年後まで、相対リスクは一貫して(46~95%)スクリーニング陰性群が低かった。
非スクリーニング群を基準として補正した、スクリーニング陰性群の大腸癌死亡のハザード比は、1年目が0。04(0。01-0。17)、10年目は0。12(0。02-0。82)だった。12年後まで、相対リスクは一貫して(29~96%)スクリーニング陰性群が低かった。
大腸癌の分類として、右側大腸癌、左側大腸癌、早期癌、進行癌別に見ても12年以上にわたり相対リスクはスクリーニング陰性群が低かった。
 以上より、ガイドラインが推奨しているスクリーニング時期は支持されるが、再スクリーニングの時期による利益とコストについての検討が望まれる。


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