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《抄読会》高槻 光寿

Renal Allograft Survival in Nonhuman Primates Infused With Donor Antigen-Pulsed Autologous Regulatory Dendritic Cells.

Ezzelarab MB, Raich-Regue D, Lu L, Zahorchak AF, Perez-Gutierrez A, Humar A, Wijkstrom M, Minervini M, Wiseman RW, Cooper DKC, Morelli AE, Thomson AW.
Am J Transplant. 2017 Jun;17(6):1476-1489. doi: 10.1111/ajt.14182. Epub 2017 Feb 2.
PMID:28009481

臓器移植における免疫寛容導入は究極のゴールであり、動物実験レベルでは多くの報告がみられる。リンパ球関連では制御性T細胞(T-reg)による免疫反応調整機構がよく知られており、臨床肝移植においてもT-reg導入による免疫寛容獲得が北海道大学より報告され、今後多施設共同研究が行われる予定である。本論文は制御性樹状細胞(DC-reg)による抗ドナー反応抑制の可能性についての話題である。アカゲザルを用いて宿主由来のDC-regをドナー細胞由来抗原であらかじめ刺激し、それを体内に戻して寛容を成立させることを目的とした研究であり、免疫抑制剤はRapamycin、さらにCTLA4-Igによるいわゆるco-stimulate pathway遮断を併用している。一応、有意差をもって生着率が延長しているため効果的、という結論だが、生着日数が約30日から56日に延長した程度であり、それほどimpactのある結果とは思えなかった。Nonhuman primateであるアカゲザルを用いた研究であることが評価されたのであろう。DC-regの概念を初めて知ったため紹介したが、移植免疫における寛容のメカニズムの本質はまだ別にあるような気がするため、今後もこの分野を掘り下げていきたい。

参考論文
Tolerogenic dendritic cells and the quest for transplant tolerance.
Morelli AE, Thomson AW.
Nat Rev Immunol. 2007 Aug;7(8):610-21. Epub 2007 Jul 13. Review.
PMID:17627284