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《学会発表報告》第40回国際外科学会世界総会(小林和真)

平成28年10月23日(日)~26日(水)、京都国際会議場にて第40回国際外科学会世界総会が開催されました。以下は、参加した小林和真先生からの報告です。



日時:平成28年10月 25日(火)9:00~10:30
会場:ROOM2 
セッション名:Symposium 15 Recent advances in multimodal treatment for gastric cancer

演題名: The effectiveness of S-1 and S-1 +platinum-combination chemotherapy for advanced and recurrent gastric cancer (ARGC) as a first-line treatment

<全体の感想>
 癌治で10月22日にポスター発表して、1日おいて10月24日の午前に京都入りしました。ちょうど、シンポジウムの司会を終えた、兼松先生にお目にかかれました。私の来訪をとても喜んで下さり、これで来た甲斐はあったなあと感じました。
 10月24日は天皇・皇后両陛下のご来場とのことで、入り口には飛行場で使うような金属探知機がおかれ、ALSOKの警備員が配置され、ペットボトルの持ち込みも不可、売店も閉まっており、会場は静寂が包む、一種異様な雰囲気を醸し出していた。
 さて、16時過ぎから、天皇・皇后両陛下のご臨席のオープニングセレモニーが開始され、通常学会ではあまりない京都府知事や市長などのdignitaryも参加されていた。天皇・皇后両陛下は神々しく、また夫婦仲の良さもすばらしく、感動的であった。これだけでも来た甲斐があった。しかしながら、警備のためとはいえ、陛下ご退席の後、1時間も軟禁されたのには辟易した。

 さて、私の発表は10月25日のシンポジウムの発表であった。抗PD-1やMET発現、
抗癌剤の腹腔内投与、DOC/S-1による術後補助などのstate of the art technologyが並ぶなか、実臨床のretrospective studyで、場違いの感は否めなかった。今回は、少し修正を加え、PT製剤+S-1と絞って望んだが、前年の癌治ではheterogenousなretrospective studyでとさんざん叩かれた悪夢もちらついた。
 参加者の割に会場数が多いためか、シンポジウムとはいうものの、audienceは10人程度であった。
 やはり、英語の発表なので、緊張してしまい、スライドのページを飛ばして読むようなチョンボもありはしたが、一応きちんと時間内に発表することはできた。
 retrospective studyだから、という批判は無かった。

<会場からの質問>
非常にすばらしい、正鵠を得る質問をいただいた。ただ、途中で聞き取れなくなり、
とんちんかんな回答になってしまった。大変にあがってしまいpanicに陥ってしまったのを察してか、日本語で答えて下さった。
しまだ先生からの質問
Q:緩和手術が化学療法だけよりいいことはわかった。REGATTA試験で、出血や通過障害の無い場合に、化学療法中に手術をいれることは、否定された(ここまでは何とかわかったが)。tumor burdenのない場合であっても、化学療法中に手術を介入させるのがいい患者集団がいるのではないかと思われる。この様な、候補の患者さんはどのような対象でしょうか?それを、いわゆる緩和手術のみに加えるともっと成績が良くなるのではないかと考えますが。
A:(会場では答えられなかったが)、画像上long SDがとれていて、幽門側胃切除術が可能な患者さんということだと思います。

今後、このスライドを論文化する際の、最も重要なDISCUSSION POINTである。
発表としては失敗だったが、良い示唆を得ることができた。
発表後、お礼をしたかったのだが、足早に会場を去って行かれた。

後で、金高先生に尋ねたところ、「東邦大学の島田英明教授だと思う。非常に聡明で、しかも紳士的で優しい先生である」とのコメント。

この場を借りて御礼申し上げます。

最初はあまり乗り気で無い学会であったが、得たものは大きかった。
演題を出せと尻を叩いてくれた、日高医局長にも感謝。