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カザフスタン外科学会に参加してきました(金高賢悟)

平成26年4月21日(月)~25日(金)の日程で、カザフスタン外科学会(V Congress of Surgeons of Kazakhstan with International Participation 《INNOVATIVE TECHNOLOGIES IN SURGERY》)参加を中心として、カザフスタンに出張してきました。以下、遠征記です。



4月21日~25日にかけて開催されたCongress of Surgeons of Kazakhstanに出席させていただいた。
最初の3日間はSyzganov’s National Scientific Center of Surgeryにおいて各種手術のworkshop、残り2日間は学会形式というものであった。Syzganov’s National Scientific Centerは、当科として、学術協定を締結し肝臓移植手術の立ち上げなどの国際貢献を行っている縁もあり、今回は小生と、高槻先生、藤井先生と参加させていただいた。
Workshopにおいては、胸腔鏡下食道平滑筋腫核出術を施行したが、言葉が通じず(公用語はロシア語である)、術中のビデオ中継を通した質疑という慣れない環境にて難渋したが、同行してくれたお二人の力添えもあり、何とか無事に手術を終えることが出来た。

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発表は最終日であったが、同じセッションにModeratorとしても参加させていただいた。多くの参加者がロシア語で発表する中で、数少ない英語発表者であったが、通訳の方についていただき、何とか発表の骨子は伝わったことと思う。ただ印象としては、他の発表に鑑みてもKazakhstanにおいては高度進行癌が多く、比較的早期の癌に対する胸腔鏡手術に関する内容はやや臨場感に欠いたものとなった感は否めず。それでも会場からはいくつかの質問をいただいた。
Q.胸腔鏡下手術の適応について
A.基本的には早期癌が日本においては一般的であるが、それほどBulkyでない進行癌においても、胸腔鏡での手術を行っている。
Q.小腸ろうの抜去はどのように?
腹壁に固定しているため、不要となればベッドサイドにて抜去を行って問題ない。
そのほか、発表後に
Q.3領域郭清を全例に行うのか?
A.反回神経周囲リンパ節を一種のセンチネルと見なして、同部位の術中迅速組織診にて判断している。
Q.頸部での吻合は?
A.Circular staperにて行っている
などの質問をいただいた。
Modulatorとして、他の発表について胃潰瘍の手術や、Surgical site infection治療の発表へのコメントも求められたが、日本における現状も含めてお答えすることが出来たと思う。

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今回、特に海外にて手術を行うという得難い経験をさせていただくことが出来た。胸腔鏡下手術について、術中予期しない状態もあり、決してスマートな手術とはならず、まだまだ力不足を実感せざるを得ないものであったが、“Kazakhstanにおいては、少しでも困難が生じると容易に開腹に移行する傾向があり、あのようなunusualな環境、腫瘍に対して冷静さを失わず鏡視下手術を完遂されたCold mindにみな感銘を受けていた”との、GI GroupチーフのAdil先生の言葉に少し救われた気がした。
いずれにしろ今回のCongressへの出席は、外科医としての経験値を上げるだけでなく、Kazakhstanという国、そこに住む人々を知るという点において大変印象深いものとなった。このような貴重な機会をお与えいただいた江口晋教授には心より感謝いたします。
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