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国立がん研究センター東病院に留学中の足立利幸先生より留学便りが届きました!

留学便り

国立がん研究センター東病院 大腸外科に留学中の平成23年卒の足立利幸です。私は今年4月からこちらの大腸外科として勉強させていただいております。自分の立場としてはこちらのシニアレジデント(がん専門修練医)として入職し2年間まるまる大腸外科として仕事をさせていていただいております。
がんセンター東病院大腸外科は年間500例以上の大腸癌手術を行う日本屈指のhigh volume centerです。特に直腸がんの割合は高く200例程度となっています。大腸外科は伊藤科長を含めた6人のスタッフと15人のレジデントで構成されています。当科の特徴としては毎日行う前日症例のビデオカンファレンスがあります。前日症例を3分程度に編集しプレゼンテーションを行います(英語で・・・)。最初は毎日毎日原稿を書いて手汗かきながらやっていましたがやっと少しなれてきました。
手術は基本的な手術に関してはレジデントが執刀していることがほとんどです。1週間に10症例程度のmajor手術が入り、自分自身は1~2症例のmajorを担当します。10年目前後のレジデントが常時10人前後ローテートしており毎日手術のビデオを見直し、術式の検討を行い互いに刺激し合い過ごすことができています。当科の科長である伊藤先生は経肛門アプローチによる直腸切除のトップランナーです。週2~3症例はTaTMEに参加する機会をいただいており、早く習得し長崎に持ちかることができればと思っております。
最初はなれない環境で手術の時も手が震えてうまくできなかったり、道具、やり方もちがいとても戸惑いましたがこのように新しい環境に飛び込むことで初めて得られる知識や技術がたくさんあることを知りました。毎日の貴重な経験を少しも無駄にしないようがんばりたいと思います。

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朝のカンファレンス

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TaTMEの手術風景(2teamsで腹部と会陰で同時に手術をします)

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病院からは富士山もみえます。

Children's Hospital Bostonに留学中の福井彩恵子先生より留学便りが届きました!

留学便り

平成27年(2015年) 長崎大学卒、移植・消化器外科 博士課程1年次の福井 彩恵子です。
2019年3月からアメリカ合衆国マサチューセッツ州 ボストン小児病院 Program in Cellular and Molecular Medicine (PCMM), Harvard Medical School 内のWagner Labで研究をさせていただいています。
教授のDenisa Wagner は血小板や凝固因子などに関する研究の功績で知られ、近年では特に血栓形成や無菌性炎症反応におけるneutrophil extracellular traps (NETs) の重要性を報告し大きな成果を残しています。とてもチャーミングな女性ですが、このHarvard でPIとして生き残ってきた強かさを感じさせる方です。PCMMは15の基礎研究室からなるプログラムです。Big journal 常連のPI たちのもと、貪欲なPhD たちが研究に文字通り没頭しています。止まないパイペッティングの音に、日々危機感を覚えています。
私は現在NLRP3 inflammasome に関する研究テーマをいただいています。Inflammasome は炎症におけるキーファクターとして注目されていて、外科学分野での論文も数多くみられます。Wagner Labでの研究はノックアウトマウスや細胞を使用した、ベーシックかつ不可欠な実験手法をとることが多く、基礎的な研究の考え方や方法を身につけられる非常に良いチャンスです。華麗なる研究生活を・・・とはいかないもので、try and error, error, and error.. 無力感でいっぱいな日々ですが、仲間に助けられ、できることを一歩ずつ進めています。
そんな中、先日PCMM Retreat が開催されました。日本の社員旅行に近いイベントですが、日常から離れ心身をリフレッシュさせつつ、研究者同士の交流を図り、次の研究に繋げていくという目的があるようです。PCMM の研究室が一同に会し、ボストンのリゾート地 Cape Cod で、連日各PI によるプレゼンテーションや研究員のポスターセッションが行われました。PIたちが息を切らして自分の研究を語る熱っぽさは少年・少女そのものでした。また、各教室の研究を横断的に聞き、改めて印象的だったのが「教室の強み」の重要さです。研究室ごとによい意味で伝統的な手法があり、明確なターゲット設定があり、それに応じた圧倒的な解析装置や評価方法をもっています。「ここでしかできない実験」があるラボには資金が集まり、あるいはPI自身が企業を持ち、ますます武装強化していきます。PhD は強烈な探究心を持ち、こんな世界で戦っていくのかと、ますます危機感を覚えました。

「危機感」を繰り返しましたが、このような変化を迫られる感覚は、日本を出ずには得られなかったと思います。留学の時間は限られています。ここで何を得たいか、目的、タイミング、今後へのつなげ方を見極める大切さを実感しています。まずは自分の研究を着実に進め、また報告させていただきたいと思います。

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3月:長い長いボストンの冬。凍りつく季節が今年ももうすぐやってきます。

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4月:ボストンマラソンはお祭り騒ぎ。前方に川内選手の背中。

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8月:短い夏はひたすら外に。Red Sox vs Angels. バッター Ohtani-san.

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9月:Cape Cod の海。1歳の長男がいちばん強く生きているようです。

Cleveland ClinicのTransplant Centerに留学中の松島肇先生より留学便りが届きました!

留学便り

米国オハイオ州Cleveland Clinic, Transplant Centerに留学させていただいております平成19年卒の松島肇です。昨年6月に渡米して早くも1年3か月が経過しました。私生活では土日も病院にくることがほとんどですが、地域のソフトボールの試合に参加したり、友人と食事に出かけたりしながら楽しく過ごすことができています。仕事に関しましては、昨年は主に臨床研究や病棟、手術室での診療・手術見学、Organ procurementへの参加など行っていました。今年5月、6月には国際学会にも参加させていただき、臨床研究で得たデータを発表する機会もいただきました。5月のILTSでは江口教授、同期の原先生、6月のATCではボストン留学中の福井先生にも会うことができました。現在では日中のほとんどは病院に併設したLerner Research Instituteという研究施設のHashimoto ラボでマウスを用いた小腸移植に関する研究を行っております。時間があいたときに病院のオフィスに行き、データの整理や臨床研究の手伝い、procurementへの参加などをしながら忙しく過ごしています。マウスの小腸移植は手技的に高難度であり、世界でもあまり行っている施設がないのが現状にようです。Lerner Research Instituteにも残念ながらマウスの小腸移植ができる方はいませんが、マウスの腎移植や肝移植を行っている方が在籍しており、手技を見学させていただき自身も試行錯誤しながらマウス小腸移植の手技習得に励んでいるところです。残された時間も少なくなってきましたが何かしらデータが出せるよう最後まで諦めず1日1日を大切にしながら頑張ろうと思います。


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冬のクリーブランド。エリー湖が凍っていました。

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5月ILTSトロントで江口教授と原先生と。

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6月ATCボストンで福井先生と。

Koo Foundation San Yat-Sen Cancer Centerに留学中の井上悠介先生より留学便りが届きました!

留学便り

11月より台湾のKoo Foundation San Yat-Sen Cancer Centerに留学しております、井上悠介(H16卒)です。こちらへは、主に大腸のRobot手術と、経肛門的直腸手術(TaTME)を勉強するために来ています。

病院の名前であるSan Yat-Senは、建国の父である孫文の英語名です。San Yat-Senが名前に入っている施設は台湾中にたくさんあるそうです。気候は非常に温暖で日中は半袖でも全然問題ありません。自宅周辺はマングローブの保護区に指定されており、緑豊かな地域でたくさんの白鷺が飛んでいます。また、大変明るい人が多く、おかげで楽しい毎日を送ることができています。

院内ではRobot手術の見学がメインになるのですが、手洗いをして術野に一番近い部分で勉強させていただいています。日本で保険収載されている直腸の手術だけではなく、右半結腸や左半結腸のRobot手術もたくさん行われています。また、時間がある時は、前立腺や腎臓、肝臓のRobot手術も見学させていただいています。日本で、業務時間中に他の手術を見学する機会はあまりないので、大変勉強になります。様々な手術にRobot手術が導入されており、今後は器機の発展と共にこの分野は更に広がっていくのではないかと感じています。

1月末までの短い期間ではありますが、可能な限り多くのものを吸収したいと思います。

井上悠介先生 留学便り①
病院正面

井上悠介先生 留学便り②
自宅周辺 淡水川

井上悠介先生 留学便り③
大腸グループ スタッフと

Cleveland ClinicのTransplant Centerに留学中のカーペンターいづみ先生より留学便りが届きました!

留学便り

平成16年卒業のカーペンターいづみです。昨年の6月から米国フロリダ州にあるCleveland Clinic FloridaのTransplant CenterでDonor Coordinatorとして仕事をしております。当施設では心/肝/腎の移植を行っており、昨年の移植件数は心22例、肝52例、腎122例でした。先月は2013年に当施設での臓器移植プログラムを開始してからの総数で、腎移植500例目を達成しました。今年の1月には腹部移植チームに新たなチーフを迎え、さらにaggressiveにofferを受け入れるようになっています。
こちらで仕事を始めた当初、移植システムで驚かされたことの一つに、臓器の輸送方法がありました。移植施設のスタッフ数や医師の考え方にもよると思うのですが、当施設では肝臓の多くの場合、procurementをドナーのいる現地の移植外科医に依頼し、肉眼所見や生検所見を確認した後、最終的に臓器を受け入れると判断した場合にはprivate jetを送り臓器を輸送するということを行っています。腎臓の場合はlocal donor以外はどの施設でもほとんどがimportになると思います。阻血時間などの関係からprivate jetではなく、普通のcommercial airlineで送られてくるのです。これは、ドナー数が多く、deceased donorからの臓器提供システムの発達した米国だから成り立つ仕組みなのではないかと思います。
年間9000件近い脳死/心停止ドナーが発生する米国ですが、それでも臓器不足の問題は深刻であり、当施設でも本年に入ってHCV陽性ドナーからの臓器提供も受けるようになっています。前回の留学だよりでも記述したかと思うのですが、こちらのドナーの死因でよく見られるのがdrug overdoseによるものです。その場合、ドナーは比較的若年でHCV陽性であることが多いのですが、臓器の機能自体は良好です。C型肝炎に対する治療薬の開発が進んできたこともあり、レシピエントが事前に同意している場合にはHCV陽性ドナーからの臓器も使用しています。長期の予後に関しては大変興味のあるところです。
日本からはかなり遠いフロリダですが、こちらに来られる際には、是非、ご連絡ください。

カーペンターいづみ

いづみ①

いづみ②