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《学会報告》第56回日本癌治療学会(哲翁 華子)

平成30年10月18日(木)~10月20日(土)、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて第56回日本癌治療学会が開催されました。以下は参加された哲翁華子先生からの報告です。


今回小林和真先生の御指導のもと、癌治療学会に参加させて頂きました。
まず、これほど多くの診療科が集まる学会、その上全国学会は初めての経験でした。会場は非常に大きく、各診療科別に基礎から臨床まで多くのトピックに溢れており、私は胃癌、大腸癌のブースをメインにまわりました。特に今回発表テーマであった大腸癌の化学療法については、当院と他院との治療法の違いや共通点など、参加された先生方のご意見を聞け、非常に勉強になりました。
自身の発表に関しまして、小林先生のテーマで、高齢者の進行大腸癌における経口5-FU製剤の有用性について発表しました。小林先生を始め、会場でも多くの先生にサポートして頂き、なんとか無事に発表を終えました。
質問は以下の通りでした。
経口5-FUとその他(FOLFOXやFOLFIRIなど)どのように患者に使い分けてるか→レトロの結果であり、今回の結果から、むしろPSのいい人にこそ経口5-FUを選び、2次治療、3次治療に繋げていくという結論がでた。(この質問は金高先生が助けて下さいました。)
二次治療以降のレジメンは→CPT-11単剤や、TFTD、RAS野生型であれば抗EGFR抗体薬を単剤で積みあげる、PSがよければIntensiveなレジメンも考慮する。
経口5-FU剤三種類の使い分けは→内服方法から患者の生活リズムに合わせやすいものや、有害事象で使い分ける。

《学会報告》第56回日本癌治療学会(金高 賢悟)

平成30年10月18日(木)~10月20日(土)、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて第56回日本癌治療学会が開催されました。以下は参加された金高賢悟先生からの報告です。


日本癌治療学会報告

1. ポスター
進行・再発大腸癌治療におけるRamcirumabの有用性の検討
内容)ガイドライン上、2次治療とされているramであるが、当科では3次治療以降にも投与しているため、その有用性を検討
質問)2次治療として、Bmabとramが投与されているが、その使い分けはどのように判断しているのか?
答え)ram導入前の症例ではBmabが選択されているのかも。今回の検討の結果、ras wildの症例の2次にはramの方がよさそう

2. 口演
Ramcirumabは胃癌患者の予後改善に貢献しているか
内容)ram導入による進行再発胃癌に対する効果について検討
質問)2次治療におけるCPT11とTaxの使い分けは?
答え)historicalな側面もある。現在は基本的にram+PTX
質問)3次治療はどうするのか?
答え)基本的にはCPT11になると思う。当科ではNivの使用経験はないが、今後の課題
座長よりコメント)レジメが多いので単純にramのon/offでの比較は難しい

3. 口演
胃癌における肉眼型は予後予測因子か?
内容)術前診断での4型は腹膜播種併存のリスク。術後4型は予後不良因子。
質問)4型胃癌の今後の治療ストラテジーは?
答え)今回の検討ではS1での補助療法は有効でなさそう。今後は術前化学療法になるが、JCOGの成績を見るとあまり期待できない
質問)4型は0-IIcから起こるのか、3型からのものも含むのか?
答え)明確な規定はないが、どちらもありうる。
質問)取り扱い規約に予後不良因子としてなぜ肉眼型がないのか?
答え)わかりません。客観性がないから?


《学会報告》第56回日本癌治療学会(岡田 怜美)

平成30年10月18日(木)~10月20日(土)、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて第56回日本癌治療学会が開催されました。以下は参加された岡田怜美先生からの報告です。


セッション名:一般口演 基礎研究
演題名:Development of TCR gene therapy with allogeneic “Stealth T cells” deficient in endogenous TCR and MHC class I molecules

<全体の感想>
 パシフィコ横浜で開催された日本癌治療学会に参加しました。癌治療学会は初めての参加であり、外科だけでなく、内科、放射線科、病理、基礎など、多数の分野からの発表があり、大変勉強になりました。癌免疫についての講演も多く、現在のトピックス、今後の展望など、興味深いものでした。

<場からの質問>
Q:MHCをK/Oした輸注細胞のin vivo評価は、免疫不全マウスでなくてもいいのではないか。
A:マウス内でのヒト細胞の再現を目指しているので、免疫不全マウスに、輸注細胞とアロT細胞を同時に輸注して、実験系を確立している。今後はヒト化マウスなどへの投与ができればよいと考えている。

Q:実際はどの癌腫を対象にできるのか。固形癌はどうなのか。
A:現在は血液腫瘍をメインに行っている。しかし、今後は固形癌にも対応できればよいとは考える。どのがん抗原をターゲットとするのかにもよる。

Q:off the shelf製剤として考えるならば、作成期間などはどれくらいになるのか。
A:off the shelf製剤の利点としては、予め作製しておき、必要な時に輸注できることである。作製には2、3週間かかる。活性化した状態で輸注ができるように作製するタイミングも重要になる。

《学会報告》第56回日本癌治療学会(江口 晋)

平成30年10月18日(木)~10月20日(土)、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて第56回日本癌治療学会が開催されました。以下は参加された江口晋先生からの報告です。


横浜での癌治、臓器別シンポジウムにて発表して参りました。
癌治は年々大きくなってきており、今回もがんナビゲーターの方など周辺のスペシャリスト育成が進んでいることが実感されました。
「肝細胞癌に対する最近の治療の進歩」という題目で、私は外科治療の進歩を担当しました。他はICGナビの進歩、TACEの進歩、分子標的薬の進歩で大乗での議論も弾みました。
司会の山本雅一教授、工藤正敏教授、有難うございました。
教室の金高准教授、久芳助教、岡田医師、哲翁医師の発表も無事終了です。

《学会報告》第56回日本癌治療学会(久芳 さやか)

平成30年10月18日(木)~10月20日(土)、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて第56回日本癌治療学会が開催されました。以下は参加された久芳さやか先生からの報告です。


全体の感想:今年はESMOと重なったせいか、演題取り消しが目立って残念でした(乳腺基礎セッションでは7人中、2人の海外演者の発表なし)。
妊娠期癌治療のシンポジウムで演者の先生が、妊娠中禁忌(データがないため)の薬を使用した、という発表をしてしまい、会場から強い反対意見が出ていました。その演者の先生の意見は、“自分はその治療をあまり勧めていないが、患者が希望したから。妊娠中だからと言って、データがないからといって治療の選択肢を狭めるわけにはいかない”、とのこと。なんじゃそりゃ…。患者に責任を押し付けたよ。。。主治医も患者も納得いくまで話し合わなきゃ。。。と思っていたら、腫瘍内科の北野敦子先生がバシッと、“主治医の主観、患者の思いで治療を決めてはいけない。とかく癌治療医は癌を治すことだけを考えがち。そうではなくて、癌治療には様々な選択肢があり、今あるエビデンスの中で、包括的なことを考えて治療を決めるべきである。妊娠期でも使用できる別の治療の選択肢はあり、児の長期予後は非常に考慮すべき大事なことです。”と言われました。若いのにさすがです。
HBOCのセッションも座長が戸井先生と中村清吾先生、演者が三木先生、山内英子先生、高田正泰先生で、期待通りの内容で非常に勉強になりました。特に遺伝性乳癌は乳癌の10%で、HBOCはこの50%でしかなく、残りの50%はHBOCの検査のみでは漏れてしまい(リンチ症候群やリフラウメニ症候群などなど)、遺伝子パネル検査が必要である。すでに遺伝子パネル検査も複数の会社が販売していて、数年後には必須になって、問題は対象をどこまでにするか、ということ。遺伝性乳癌に関する遺伝子パネルは、その結果に対してすべきことがNCCNガイドラインに規定されているのでclinical utilityが担保されているので、臨床側としてもとても有難く、患者さんに大きなメリットをもたらすと思いました。

ポスターセッション
Prognosis according to subtypes and symptoms for advanced breast cancer.
内容:転移性乳癌を、有症状と無症状に分けて、最初の乳癌からの予後・転移してからの予後・転移してからのホルモン療法の期間・転移してからの化学療法の期間を検討しました。既報通り、有症状では(発見が遅いので)転移してからの予後は無症状で見つかった症例に比べ生存期間は短いが、最初の乳癌からの予後は変わらない(だから転移性病変を早期に見つけても生存期間は伸びない)
さらに、転移してからの治療期間は、ホルモン療法は両群に差がないが、化学療法は有意に無症候性で見つかったほうが長い。転移性乳癌を無症状で見つけてしまうと、最初の乳癌からの生存期間を延長させない上に、化学療法の期間が長いという皮肉な結果でした。
金高先生が応援に来てくれました。有難うございます!!座長は中村清吾先生で、どの演題にもこういうエビデンスがある・今こんな試験が進行しているなど示唆に富むreviewをされていました。私の発表には、これはHortobagyiのアルゴリズムにそった治療戦略で、CDK4/6 inhibitorやm-TOR阻害剤が出る前のことで、今後は新たなアルゴリズムが必要で、その際このような解析を重ねていく必要がありますね、と言っていただきました。