国立病院機構九州医療センター肝胆膵外科に留学中の松島先生より留学便りが届きました!

留学便り

昨年の9月より国立病院機構九州医療センター肝胆膵外科に勤務させていただいております平成19年卒の松島肇です。こちらに勤務して早くも10か月が経過いたしました。冬に吹きあれる百道浜からの冷たい海風がつい先日のように思われ、蝉の鳴き声に時の流れの早さを実感しております。手術に関しましてはこれまでに肝葉切除4例、肝区域切除3例、肝亜区域切除5例、PD5例、DP7例(うち腹腔鏡下5例)、腹腔鏡下脾摘出術1例を術者として執刀させていただく機会をいただきました。そのほかにも腹腔鏡下胆嚢摘出術やマイクロ波凝固壊死療法なども含め多くの手術に参加させていただいております。また鏡視下手術に関しては土日にその週の手術ビデオを先輩方と共に見返しその都度反省点を明確にし、次の手術に臨むといった勉強会を適宜行い手術手技の向上を図っています。
手術以外に関しましても他科との合同カンファレンスや論文抄読会への参加や、また臨床研究、学会発表や論文執筆などに関しても肝胆膵外科の才津先生、高見先生をはじめとし先輩方に熱心にご指導いただいており、充実した日々を送ることができております。手術1例1例を大切に、少しでも早く諸先輩方に近づけるよう努力してまいりたいと思います。今後とも何とぞ御指導・御鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。

《学会報告》第72回日本消化器外科学会(濵田 隆志)

平成29年7月20日~7月22日に石川県金沢市の石川県立音楽堂にて第72回日本消化器外科学会が開催されました。
以下は参加された濵田隆志先生からの報告です。



一般演題
演題名:肝細胞癌に対する肝切除後、再発に関する因子解析 -腫瘍径別(2㎝以下、2-5㎝)の検討-

(全体の感想)
 金沢での開催であり、久しぶりに地方都市での全国学会でした。新幹線により再開発された金沢駅を中心とした会場で、会場数は多かったでのすが、非常にコンパクトでまとまった印象を受けました。

(発表について)
 ポスターではなく、ミニオーラルでの発表でした。初めての形式でしたが、周りの声の影響もあり、発表しにくく、他の演者の方の声もあまり聞こえず、しかも英語のスライドであり、理解するのが大変でした。

Q.2cm以下ではHCVがリスク因子だが、2-5cmもリスク因子となるのではないか。
A.今回の統計では、リスク因子とはならなかったが、おそらくリスク因子になると思われる。そのため、HCVの治療は必要であると考える。DAAについては、発癌促進または抑制の報告がさまざまあり、今後も検討しなければならないと考える。


クリクラ学生の佐藤晋平君と研修医1年目宮坂悟先生も一緒に学会に参加しました。
 学会専用のアプリを使って自分の興味あるセッションに自ら行き、勉強しました。
 全員懇親会にも参加し、金沢の夜も満喫したようです。
 日々の診療だけでなく、学会に参加することで、外科の魅力がさらに伝わればと思います。

 ※写真は、メイン会場石川県立音楽堂の入口にて。


20170722 石川県立音楽堂にて1


タマサート大学チュラポーン国際医学部生が来られました!

平成29年7月12日(水)、タイのタマサート大学チュラポーン国際医学部生の3年生が病院見学に来られました!



DSC01096①

《学会報告》First World Congress of the International Laparoscopic Liver Society (ILLS)(曽山 明彦)

平成29年7月6日~7月8日にフランスのパリにてFirst World Congress of the International Laparoscopic Liver Society (ILLS)が開催されました。
以下は参加された曽山明彦先生からの報告です。



フランスは、Couinaud先生やBismuth先生を始め、肝臓外科の発展に大きく貢献した医師を多く輩出しており、鏡視下肝臓外科の分野でも、フランスの肝臓外科医としての誇りを感じさせるような発表や学会運営をされていました。2014年の鏡視下肝切除のWorld Consensus Meetingは、日本の盛岡で開催され、その際に確立された鏡視下肝切除の難易度の指標となるIwate Criteriaは世界で広く用いられており、Iwate Criteriaの元となったBanらによるDifficulty Scoreとともに多くの発表の中で引用されていました。ヨーロッパ、アメリカ、そしてアジアと各々の地域で少しずつ特徴が違い、大変興味深かったです。
今回の学会で、鏡視下肝切除がテクノロジーの発展も相まって、世界中で急速な勢いで進んでいっていることを実感しました。今回、当科からの発表として、私が鏡視下肝葉切除を、また現在韓国に留学中の夏田君がハイブリッドドナー手術に関する発表を行いました。2019年本学会は日本で開催されます。これからの2年間で、当科における鏡視下肝切除も安全性を保ちながら、更に発展させられるように日々の診療に取り組んでいきたいと思います。

写真:Oral presentationを行う夏田医師


IMG_4156①

《抄読会》濵田 隆志

PMID : 27357929
Retention of laparoscopic skills in naive medical students who underwent short training
Guilherme M, Paolo R et al. Surgical Endoscopy 2017

 今年度より当科では、クリクラのラパロ実習を開始しており、それに通ずるものとして本論文をご紹介した。
 今までに手術またはラパロを経験したことのない1,2年生の医学生68人を対象とした。彼らにアンケートに答えてもらい決められた5つのタスクに基づき、ラパロの技術を評価した。その後、150分のトレーニングを行った後に再度評価。そして、一年後にどれくらい技術が維持されているかを評価した。結論としては、短期間トレーニングを行った1年後であっても、外科の経験がない医学生は、トレーニングで習得した技術のほとんどを維持することができていた。

 議論では、なぜ1年後も保てるのか、その要因についてなどがあった。ちょっとしたコツの理解や空間認識能力の向上が要因ではないかとの意見があった。まるで自転車に乗れるようになったように。